高千穂町の町議選は平日投開票って本当? そのワケと歴史的背景・町民の声に注目!

宮崎県の北部に位置する高千穂町。

神話の里として観光地としても有名ですが、実は「町議会議員選挙の投開票が平日に行われる」という、全国的にも珍しい慣習を守り続けていることを地元MRT宮崎放送が伝えたことがわかりました。

通常、選挙といえば日曜日に投票するのが当たり前ですが、高千穂町では、80年以上にわたって「平日の投開票」を続けてきました。

なぜ平日なのか、町民はどのように感じているのかを探ってみました。

目次

高千穂町の町議選は平日に投開票って本当?

出典:高千穂町

MRT宮崎放送は、9月9日投開票の高千穂町議会議員選挙の様子を報じました。

全国的に見てたいへんユニークで興味深い選挙の様子なのでどのような内容か見ていきましょう。

下の画像はMSNで発表されたMRT宮崎放送が公表しているものです。

高千穂町議会議員選挙 80年前から平日に投開票 そのワケとは

                 出典:MRT宮崎放送

確かに9月9日は火曜日で平日です。

全国的には、投開票日はほとんどが日曜日という認識があります。

改めて高千穂町の選挙の平日投開票日に焦点を当てて詳しく見ていきましょう。

9月9日、MRT宮崎放送は高千穂町の町議会議員選挙の投開票について報じました。

”有権者の多くが休日で投票しやすい日曜日に行われるのが一般的ですが、高千穂町では平日の9日、町議会議員選挙の投票が行われているんです。

なぜ、平日に実施しているのか取材しました。”

9日、投票日を迎えた高千穂町議会議員選挙。

定数13に対し14人が立候補していて、投票所に訪れた有権者が一票を投じていました。

引用:MRT宮崎放送

写真にもあるように1947年の町長選挙と町議会議員選挙から始まっているというのです。

MRTの情報によりますと、高千穂町のこの平日に投開票を行うのは実に80年の歴史があるといいます。

高千穂町では戦前の選挙法改正期から続いている習慣だそうです。

しかし、国政選挙県議選日曜に行われるが、町議選だけは独自ルールだということが分かりました。

平日投開票のワケと歴史的背景

出典:総務省

思ってもみませんでしたが、地方によっては選挙の投開票日が日曜日だとは限らないのですね。

まずは、宮崎県高千穂町のに関わる選挙の投開票日について平日に行われるようになった理由や歴史的背景など詳しく見ていきます。

  • 平日投開票のワケ                                                                                     
  • 歴史的背景                                                                                                      

平日投開票のワケ  

この慣習は戦前から続いており、町内では「当たり前のこと」として受け止められているそうです。

選挙に関する全国的にも珍しい取り組みです。

MRT宮崎放送の情報によると、農業中心の生活リズムが大きな理由とされています。

日曜日は農作業や行事で忙しいため、かえって「平日」の方が投票率が上がる。

町の伝統・慣習が現在まで受け継がれている

町によりますと、高千穂町で日曜日以外の投票が始まったのは、1947年の町長選と町議選からだということです。

引用:MRT宮崎放送

また、非常に合理的な面があることにも気づかされます。

高千穂町・林謙一 総務課長によると、「平日の選挙に至った経緯は、当初より人件費などの選挙経費の削減が一番の理由」としています。

ごもっともな理由です。

今回の町議選では、町の職員およそ80人が開票業務などに従事。

日曜日に投開票を行った場合は時間外手当が終日生じますが、平日であれば、日中は通常の勤務時間となるため、およそ250万円の経費削減が見込めるということです。

自治体で経費が250万円削減は大きなポイントです。

250万円は町民の税金であり、大金です

歴史的背景

また、高千穂町の選挙の平日投開票制度にはどのような歴史的背景があるのか見てみましょう。

戦前から「平日の方が町民が投票に行きやすい」との理由で、平日の投開票が定着しました。80年以上経った今でもその習慣が守られており、まさに地域独自の“選挙文化”といえるでしょう。

引用:MRT宮崎放送

そもそも、日本では、2000年以降における国政選挙の補欠選挙を除き、平日を投票日に指定することは法律で禁止されていないのです。

一方、国政選挙は、1969年に行われた第32回衆議院議員総選挙が土曜日だったのを最後に平日投票は行われていません。

しかし逆に、1969年以前は平日を投票日に設定するのが一般的だったといいます。

その一方で、1992年に行われた明るい選挙推進協会による「希望する投票日の曜日」に関する世論調査では、日曜・祭日が78.3%を占め、土曜日・平日は6.8%に留まっているというデータもあるようです。

近年、国民の低投票率が問題になっていますが、高千穂町のように平日に選挙の投開票が行われた場合の投票率はどうなのでしょうか。

気になりますね。

MRT宮崎放送が伝えるところによりますと、過去10回の町議選の投票率を見てみると、1985年には93.89%と最も高くなり、コロナ禍の2021年には80%を下回ったものの、高い投票率を維持しています。

町は、平日投票が定着しているとして今後も継続していく考えです。

高千穂町・林謙一 総務課長は「期日前投票の期間に土曜・日曜が含まれており、投票率もこれまで高い投票率で推移しているので、平日選挙が投票率に影響することはないと考えている。今後も引き続き平日での選挙を行っていきたい」ということです。

また、高千穂町以外にも平日投開票を実施しているところはないか調べてみました。

たとえば北海道の壽都町議会議員選挙は2015年10月6日の火曜日に行われたという情報があります。

寿都町は、2005年の町長選挙から、その後全ての町長選、町議選が、木曜日告示、火曜日投開票日で執行されています。この理由は、なんと、経費節減。日曜に選挙が実施された場合、休日勤務手当や時間外手当等がかかってしまいますが、平日なら時間外勤務手当だけで済み、人件費を低く抑えることができるそう。

引用:The Vote.JP

寿都町だけでなく、他の自治体でも、経費削減や、選挙期間に日曜を挟むことで町外で働く有権者が立候補者の演説を聞くことが出来るというメリットを考え、平日選挙を行うところもあります。

直近だと、7月22日水曜日に投開票が行われた山形県飯豊町議会議員選挙がそうです。

公職選挙法では、選挙の実施について曜日に関する規定はなく、国政の補欠選挙などを除いて各自治体が自由に決めることができます。

call to action icon

町は、平日投票が定着しているとして今後も継続していく考えです。

町民の声

出典:政治山

「高千穂町の選挙の投開票日が平日」ということについて町の人々はどのように受け止めておられるのでしょうか。

また、一般的な有権者の声は賛否両論、どのような反応があるのでしょうか。

興味深いところですのでリアルな高千穂町の声から見ていきましょう。

以下は、MRT宮崎放送の取材によるものです。

”町民の声を聞いてみた”

  • 高齢の住民:「昔からそうだから違和感ない」
  • 若い世代:「平日だと仕事を休みにくい」
  • 外から移住した人:「最初は驚いたが、地域の事情を知ると納得」
  • 働き方や生活リズムの変化で、見直しを求める声もある。
  • 期日前投票の利用増加で大きな問題は出ていないという見方も。
  • 「伝統を守るか」「利便性を優先するか」が今後の焦点。

町の声をきくと賛否両論あることがわかりますね。

また、MRT宮崎放送は、世代によって感じ方が大きく違うか調査しています。

  • 70代男性(地元出身)
    「昔から平日だから、何も不思議に思わんよ。仕事も農作業も、選挙の日は“選挙優先”でやってきたからね」
  • 40代女性(兼業農家)
    「平日だと子どもの学校の送迎や仕事との調整が必要で、ちょっと大変。でも期日前投票もあるからなんとかなる」
  • 20代男性(移住者
    「最初はすごく驚きました。普通は日曜に行くものだと思っていたので…。ただ、地域の事情を知ると納得しました」

高齢世代は「違和感なし」、若い世代は「利便性を考えると日曜の方がありがたい」という意見に分かれる傾向があります。

しかし、現在の高千穂町では、地域の伝統やアイデンティティの一部として「平日の投開票を守っていきたい」という思いも根強いようです。

今後、町の人口構成や働き方の変化に合わせて、見直しの議論が起きる可能性もあります。

まとめ

宮崎県高千穂町では80年前から「平日に投開票」を続けているということで、そのワケや歴史的背景を見てきました。

とても高千穂町は平日に投開票するという珍しい地方自治体ですが、どう思われましたか。

平日に投開票というと、「仕事があるので大変」という声もありますが、農業中心の生活スタイルが背景にあり、日曜よりも平日の方が投票率が高かったというのも事実です。

高千穂町の選挙は、単なる投票の仕組みを超えて「地域の暮らし方や歴史」を映す鏡のような存在です。

80年前から続く独自の慣習は、町民の生活文化そのものといえるでしょう。

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